マシーネンクリーガー クレーテ製作記⑬ とうとう完成しました!
- 2018.08.19
- KRÖTE / クレーテ SHOOTING / 撮影

マシーネンクリーガー クレーテ製作完了
ようやく完成した。
長かった…いや、永かった…!
ハンドルネームなめくじさんからご依頼をいただいたのが、2月。
完成が5月!
結局3ヶ月もかかっとる!!!
もう一生分のクレーテ愛をこのキットにつぎ込んだ気がします。
正直、クレーテはしばらく作らなくてもいいかなというくらいお腹いっぱいです。
なめくじさんからは事前に完成後の撮影のご依頼もいただいていたので、早速決行しました。
完成画像だけズラズラ並べても退屈(?)してしまうので、模型・プラモデルのよしなしごとを吉田兼好ばりにつらつら書きたいと思います。
(テキトウに読み飛ばしてくださいね)
完成までにモデラーが得られる3回のカタルシス
いきなりアダム徳永みたいですが(汗
丹誠込めた完成品を撮影するのはモデラーとしてある意味、至高の瞬間ではないでしょうか?
模型を作っていると完成までに何回か高揚感を得られる瞬間がありまして、
私の場合
①離型剤を落とすためにキットを洗うとき
②デカールを貼る直前と貼った後
③撮影しているとき
この3回が一番アガるときですね!
「フォォォォォ!」
変態仮面でたとえると変身しちゃうときですね。
離型剤落としは、キットの箱を開けて初めてそのキットに着手する瞬間です。
だからやっぱりコーフンしてウキウキ(死語)しますね。
この瞬間って若い頃の「謎の無敵感」に似ている気がします(笑)。
今回のクレーテ君は、完成品&電飾・電動ギミックが入っていましたので洗う工程は無しにしました。
感電コワイ
2番目のデカールを貼る、貼り終えたとき、というのは、完成に向けた最後の一手、王手です。
終わらせたいような終わらせたくないような不思議な気持ちになります。
デカールを貼るということは組立はもちろん塗装も最終段階。
デカールを貼った後の塗装工程がまだある場合も多いですが、仕上げに向かっての区切りの作業なのは間違いない段階でしょう。
仕上がり具合もデカール作業で一段と引き締まります!
そして最後が撮影です。
私の場合、模型に一度着手するとその模型とずっと一緒に過ごします。
スマホの待ち受けは、作業を終えた最新の状態を撮影してその画像にしています。
キットを食卓に持ってきて眺めながらご飯を食べます。
入浴時にもキットを持って、湯船に浸かりながらずっと眺めてます。
出張にも持って行きます。
飛行機出張の場合、以前と比べて手荷物検査が厳しいので工具は全部預け荷物に入れないといけませんが。
(今回のクレーテはサイズ的にも無理でしたけど)
以前、空港で接着剤をみつけられて咎められたときは大変でした。
結局、着払いで自宅に送り返しました。
とにかくいっつもキットを眺めてみつめます。
キットのストーカーですね。
眺めてみつめて自分の作業のアラを探していくんですね。
作業中はけっこう唯我独尊で「オレってすごくない!?」と自画自賛なんですが、眺めてるときはやたらアラが目に付く。
それでもいいところは、「うまくいったなー!」とやっぱりいい気になってるんですけど(笑)
そうして眺めまくっていくとキットの「見せ方」、「キモ」、「強み」なんかが自分の中ではっきりしてくるんです。
プロのカメラマンの方とか原作・デザインをされている方はその辺が自然にわかっているのでかっこいいものが作れるんでしょう。
模型雑誌とかSNSなんかで自分の作った物よりどうしても完成画像や完成見本の方がかっこよく感じるのはキットの咀嚼具合の差かな、と感じます。
だから徹底的にキットを見るんですね。
「はぁ…はぁ…すごいよ…ここ」
キモい!
けどキットを見るのはすごくいいことだと思います。
しつこく見ていくと少しずつ、「ああオレはこのキットのここが好きだから作ってんだな」と気付きます。
そうすると見せたいポイントもわかってきて、撮影にも活きてきます。
クレーテの場合はデザイン的に粗密の差が激しい。
二本の足は直線的で細い、ボディ・砲塔はマッシブ。
クレーテはアングルによって、ひどく頼りなさげで不安定に見えたり、ぎっしりと詰まったメカ感、カタマリ感のどちらかに振れることが多いです。
「頼りない感じ」も言葉では良くないように響きますが、いい意味でザコ感が際立つと思います。
ガンダムでいうボールとかジムが好きな人の感覚に近いですかね。
逆にぎゅっと詰まった感じだとクレーテの場合、奇妙なリアリティがあります。
その根源はありそうな、実在しそうなレトロ感・デジャビュ・既視感だと思います。
この「ありそう感」をアピールするとSLとか土木工事用の重機みたいな感じを狙ったぎゅっと詰まったアングルでの撮影になるかなと思います。
そんな感じで、撮影ポイントというか
「見て!見て!ここスゴくない?」
というのが自分でも掴めているのであとは撮影時にどうするか?というところですね。
今回はご依頼ということで模型撮影の本を買って勉強しました。
書泉グランデとか思いつく限りの秋葉原界隈のマニアックな書店で「模型撮影のための本」を探しました!
しかしどの書店スタッフの方も「そういう本は置いていない」「わからない」とのことでした。
結局ネットでドンピシャの本をみつけました。
本屋好きの私としては、書店で買いたかったんですが…今更ながらネット恐るべし!
このムック本については改めて紹介したいなと思います。
いろいろ勉強になりました。
なぜ屋外撮影なのか?
カメラ・撮影の世界ってそれだけでも「沼」ですが、そこからさらに「模型撮影」するのですからハンパじゃない「泥沼」。
「沼」の正体って結局、選択肢の無限感がハンパないってことだと思います。
撮影するにあたって、レンズひとつ、照明の位置ひとつとっても無数に選択肢があって、シチュエーション選びとその組み合わせはほぼ無限でそれを網羅するのは絶対に無理なわけです。
そうすると選択肢を単純化していくのはけっこう得策な気がします。
そして私がおすすめするのは、「屋外撮影」です。
屋外撮影おすすめポイント① 十二分な光量
太陽は偉大です。
日中であれば屋内撮影では得られないほどの光量が得られます。
屋内撮影だとかなり照明を用意しないと薄暗いです。
もちろん、カメラや画像編集で対応できる部分もありますが基本的には手を加えるほど画像にアラが出るというか、劣化していきます。
上級なソフトだとそんなこともないのかもしれませんが、そういうソフトを導入するかどうか、ここも選択肢のひとつですね。
その点、日中、屋外撮影でデジカメなら光量不足はまずありません。
屋外撮影おすすめポイント② 手持ちでもブレづらい
模型撮影の時は三脚などでカメラを固定することが多いと思います。
私はやっすい三脚を使っているのでシャッターを押すときにその力加減でブレてしまうので、セルフタイマーの2秒を使っています。
まぁ、三脚を使っていれば、屋内でも屋外でも手ぶれは抑えられます。
でも問題は、三脚だとアングルを決めるのにスゴく時間がかかるんですね。
上下、左右、背景これらを納得した位置に決めるだけでも集中力が必要です。
キットの一番よく見えるポイントを探るためにアングルを探しまくるのですが、いちいち三脚でなんかやってられない!
ましてや、ディテールを撮影したいときは「ここ!」というポイントをいくつも追うのでやっぱり手軽な手持ち撮影が早い!
屋内でも撮影できるのですが光量が不足するとシャッタースピードはどうしても遅くなる。
そのため手ぶれをしてしまうので、撮ってるときは調子よくてもいざPCで見てみたらブレブレで使えない画像ばっかり、なんてことありませんか?
その点、屋外だと光量が十分なのでシャッター・スピードが総じて速い=手ぶれが起きにくい。
バシャバシャ撮るときほど屋外撮影オススメです。
屋外撮影オススメポイント③ 借景 背景を無限に使うことができる
これ屋外撮影でできるメチャクチャおもしろいところです。
借景というのは、造園技法のひとつで遠くにある山並みなどの景色をその庭の一部として取り込む伝統的な技で、京都なんかの庭園ではよく用いられています。(ブラタモリでやってた)
これをやるとキットを写すときに背景に空や雲を使ったり、遠方の背景をボカしてキットを際立たせたりできます。
ジオラマを作らなくてもジオラマ風に撮影したりもできます。
インスタ映えも狙えるでしょうか?
吉田兼好とはいきませんでしたが、キットの屋外撮影の助けにすこしでもなれば幸いです。
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