Ma.K. NIXE ニーゼ製作記 展示会に間に合わせたい!
- 2018.11.23
- NIXE / ニーゼ
- Ma.K., Maschinen Krieger ZbV3000, NIXE ニーゼ, マシーネンクリーガー

マシーネンクリーガーの完成品新作が…ない!
毎年、参加させてもらっているMa.k. Tamagawa Meeting:通称「タマミー」
今年も出展申し込みはしたものの展示する新作がない!
例年なら、なにかしら一つくらいはキットが完成してるんですが、今年はクレーテ1/12の製作代行に全力を尽くしたこともあり、手元に新作がひとつもない…!
タマミーのレギュレーションとしては過去作品でもいんですが、モデラーの良心みたいなもんで
ちっちゃくてもいいから!
なにかしら新作を持って行きたい!
というわけで、急ぎ、なにか作る必要が出てきました。
で、なにを作ろうか?
いつもなら単純に作りたい物をただ作るんですが、今回は「タマミーに間に合わせる」という目標を念頭に製作したい。
ま、ひとことで言うともともと楽しみでやるはずの模型作りなのに、締め切りのために作るという本末転倒なんですが、タマミーまで一ヶ月強という時間を考えるとあまり凝ったものはできない。
自分の製作スピードを考えるとミキシングビルド・スクラッチビルドの類は間に合わない。
ならば、既存のキットの中から作りたい物を選ぶしかない。
既存のキットを作るのなら罪プラの中でもまだ作ったことがない物にしたい。
さらに、ルナダイバーやナッツロッカー、ガンス、クレーテ系はデカいから時間的に厳しそう。
というわけで目を付けたのは発売されて間もなかったニーゼ。
スーツ系ということでサイズが手頃で、基本の組み立ては他のキットで経験済み。
Facebookでカッコイイのがたくさん上がってて、造りたいと考えていたし、これなら時間がなくてもイケるんじゃないか!?
という、ある意味棚上げしまくりのキット選びとなりました。
説明書に間違いあり!
早速、製作に入ります。
まずはキットの洗浄です。
離型剤の影響は少なからずあると感じているので、新キットに取り組む前は毎回洗浄します。
やっぱり台所用洗剤が手軽でいい。
心もきれいになります。
それで、組み立てに入ったんですが…
ニーゼ、正直ちょっとややこしいです。
肩アーマーはちゃんと組み立ててもすぐ取れちゃうし、説明書通りに作ってたらその説明書が間違ってるし。
※正誤表付きの正しい説明書がWAVEのHPにあるのでこれから作る方は、印刷しておくのがオススメです。
→正しい説明書はこちら
まー、できあがるとカッコイイから許しますけど。
これがマシーネン初製作の人だったら嫌になっちゃうんじゃない?
組み上がりました!
千兵衛さん並にぱっと終わらせました。
いじくったところは…
①アンテナをステンレス線に変更して、しならせ
②各種パイプをスプリングに交換。芯は工作用のコード
③各装甲にハイキューパーツのエッチングとレンズパーツを貼り付け
以上、三点。
あ、あとスモークディスチャージャーもつけました。
使ったのは、造形村のホルテンの燃焼器セット。
スモークディスチャージャーの1/20誰か作って販売して欲しい。
それから合わせ目を消しておきます。
とくにボディ背面はまるっと感が欲しいのでしっかり作業しました。
こういうときはやっぱりグレーのサーフェイサーですね。
それから接着剤も使いました。
一応スナップフィットキットということで接着剤がなくても造れるんですが、要所要所で接着剤でくっつけちゃった方が楽でした。
そうそう、それからパーツが破損したので装備品をくっつけてごまかし…リカバリーしました!
いざ塗装へ!
時間がないのでどんどん進めます。
塗装に入ります。
と、その前にレンズパーツ類とキャノピーをMr.マスキングゾル改でマスキング。
いつもなら塗装にはネチネチと一ヶ月くらい掛けるんですが、今回はトータルの製作時間が一ヶ月ほどなので逃げ道を作っておきます。
組立時点でもう二週間くらい使っちゃってけっこう焦ってます。
なので、塗装がうまくいかなかったときに、後でそれなりに見えるようにしておきます。
オキサイドレッドのサーフェイサーを吹いておきます。
塗装したあとに、エッジ部分をヤスリで削ると錆止め色が見えてなんとなくそれらしく見えるから。
迷彩は難しい…。
塗り始めました。
カラースキームは決めてました。
以前、ネットで見たコルセアⅡの迷彩がめちゃくちゃかっこよかったのでそれにしよう!と
で、塗ったのがコレ
(塗り進めていく様をご覧くださいませ)
…なんじゃこら?
ぜんぜんかっこよくない…
塗りながら、なんか嫌な予感してたんですよ。
色は違うけど、明度差?色調?が似すぎなんですよ!
こんなに濃い色じゃウェザリングも映えないし。
それでも、薄い同系色を塗っていって退色表現をしたらかっこよくなるかなあ?とかなり試行錯誤したんですが、出口が見えません。
「たすけてください!」
なんかセカチュー的な平井堅の歌声が聞こえてくる気がします。
がんばったんですが、この迷彩はなかったことにしました。
ううむ…
もはや遊びの時間は取れない(いやもともと模型作りなんて遊びなんだけど)
というわけで一気に方針転換!
冬季迷彩へ
まぁ、冬季迷彩好きなんでいいんですが、これ前回のクレーテのリペイントでやってますんでね。
自分の中で「またか」感はあります。
しかし、その冬季迷彩もうまくいくかはぜんぜんわからないので、もう泣きながら塗っていきます。
まず青みがかったグレー系で全体を塗っていって
そこからパステルやらエナメルやらで色を挿していきます。
いつもならデカール貼りは、完全に塗り終わるか、かなり仕上げてから行うんですが、今回は早く仕上がりイメージをつかみたいので、とっととデカールを貼ってしまいました。
デカールはハイキューパーツのコーションデカールを使用しました。
水に漬けたときの剥がれ具合、シートの強度ともに良好ですね。
接着にはマークソフターを使用しています。
デカールが固いとシルバリングが起きやすいので、マークソフターで軟化させてキットの表面によく追従させておきます。
で、デカールとここまでの塗装工程の保護を兼ねて、クリアを吹きました。
クリアは光沢のUVカットタイプ。
まだウェザリングしますので、艶消しクリアや半光沢だと、塗料やら何やらが変に残ってしまうので、すっきり拭き取り可能な「光沢」を吹きます。
そういえば!
今回初めてスジ彫り的なことをしてみました。
ここまでなんだかんだでたぶん塗膜が0.5mmくらいの厚みになっているので、スジ彫りが映える映える!
スミ入れしなくてもいいくらいくっきりスジが入りました。
使ったのはハセガワのこれ
「モデリングスクライバー」
BASTARD!!の登場人物が持ってそうな剣の名前みたいですが。
BMCタガネとかスジ彫り堂とか有名どころと迷ったんですが、あっさり価格で決めました。
マシーネンの場合は曲面が多いので、いわゆる彫刻刀タイプやカンナ型よりニードルの方が全方位に動けていいかな?というまじめな理由もありまして。
ウェザリングの私なりのコツは「しつこさ」です。
ウェザリングってなかなかうまくいかないので、納得いくまでしつこく繰り返すんですね。
ときたま、自分のイメージよりいい表現ができたりして、そういうときは嬉しいです。
しかし大方はやりすぎたり、へんてこになったりします。
マシーネンクリーガーのいいところは、そういった失敗やヤリすぎも全部まとめて次のステップへの下地にしてしまえるところです。
ガンプラなんか見てるとすごくセンシティブな感じがします。
精巧な組み立て、均一な色味、完璧を目指すとこういうものになるのかもしれません。
一方、マシーネンクリーガーは失敗したらしたで、それをどう活かすか、と考えるところが面白いのかな、と思います。
たとえば模型塗装の肝のひとつがこの塗り分けだと思うのですが、正確にきれいにできればいいのですが往々にしてはみ出たり、均一に塗れなかったりしてうまくいかないことの方が多いです。
それでマスキングしたり、パーツごとにバラした状態で塗装したりするわけですが、マシーネンクリーガーはそんなの気にしない!(と勝手に思ってます。)
塗料がはみ出たら、それを「ネタ」にしちゃう。
そのはみ出した色の上から新たに色を塗り直せば下地の違いで情報量が増えてより複雑な塗面を表現できるとかって考えるわけです。
横山宏先生曰く、
「模型づくりに失敗はない」
また
「いくらでもやり直せばいい」
この失敗の許されない現代社会になんとありがたいお言葉。
もう宗教法人作ってもいいんじゃないですかね、横山教(笑)
こう書くとなんだか私自身が信者の一人みたいですが、「失敗してもいいし、いくらでもやり直したらいい」という考えは単純だし当たり前なんですけど展示会かなにかで横山先生からそううかがうと目から鱗でした。
仕事でも何でも知らず知らず、失敗しないように、間違えないにようにして安牌取ってしまいますからね。
塗装なんかしてたら失敗ばっかりですから、こういう考え方ができるとすごく助かりますね。
完成!しかし…
できました!
ギリギリまで塗ってたんですがこれで完成としてタマミーに出展しました。
ところが、お気づきの方もいるとと思いますが、フィギュアを造ってないんですよ。
パイロットの。
パイロットって呼び名は航空だけなんですかね?
操縦士?…まぁいいか。
で、フィギュアは間に合わなかったんです、タマミーに。
やっぱり手が遅いですね。
よく見ると完成したニーゼもなんだかコクが足りない気がする…
というわけで、作業続行!
展示会は終わっちゃったんですが、納得いくものにしたいので塗ります!
パステルやらエナメルやらでウェザリングと基本塗装を繰り返します。
ちょっとずつ機体にメリハリがついてきました。
で、機体は完成!
鬼門のフィギュア
フィギュア苦手なんですよね。
うまくいった試しがない。
なんか仕上がりが汚くなるんですよ。
今回はフィギュア塗装用に新しい筆を下ろしました。
ウィンザー&ニュートン No.000
ずいぶん前に買ってあったんですが、機体の塗装にはタミヤの一番安い3本セットを使っていたので出番がなかったんですね。
下手な私でも筆の力でなんとかなるかもしれない!
一縷の望みをかけて高級筆を使います。
ニーゼ付属のフィギュアはパーツ数5。
顔、ボディ、バイザー、ヘルメット、マスク。
これらをランナーから切り離さずに塗ります。
ランナー部分を持ち手にするわけですが、そのサマがなんか上級者っぽくてひとりテンション上がる。
辻村さんという方の塗装方法を参考にしました。
基本的にエナメル塗料を使いました。
肌色はホワイト、ピンク、イエローの混色で作りました。
試しに油彩も使ってみたんですが、乾燥時間が長すぎて難しいですね。
油彩は伸びがいいので使いこなせば、強力な武器になりそうですが。
結局この乾燥時間がポイントになってくるところですね。
アクリルやエナメル塗料だと、ある程度、溶剤を混ぜ、ゆるくない程度に溶いて使うか、かなり濃いまま塗っていくかということになると思います。
この塗っているときに筆に塗料が乗ったまま乾燥して固まってしまうんですね。
そうすると塗り方がどうしてもドライブラシ的になってしまう。
それで塗った面がどうしてもかすれたような感じになってしまい、しっとりとした感じにならないんです。
眉毛やまつげのような毛の部分はこのかすれた感じがうまい具合にはまることもあるのですが、瞳はカサカサしたような仕上がりになってしまいます。
模型誌で瞳の部分は乾燥の遅い油彩を使う理由というのが実践して分かった気がします。
瞳はハイライトも入れていかないと、なんだか意志が弱い茫洋とした表情になりますね。
私は技術的にハイライトを入れられませんでした。
修行せねば。
話が前後しますが、肌色は先ほどの白、桃、黄の3色混色で作りました。
感覚的に、ホワイト4:ピンク2:イエロー少~1くらいですかね。
これはやってみて分かったのですが、はじめにピンクが強めなものを塗るのがいいですね。
目や鼻など顔のパーツのキワがピンク色っぽいと「らしく」見える気がします。
キワは塗りにくいので最初に塗ってしまえばカンタンです。
ピンクが強い肌色の上に徐々に白っぽい肌色を頬の上側など出っ張った部分で、日が当たるような場所に置いていくとメリハリが出ますね。
それから、撮影を考えるとけっこうオーバー気味に肌色のメリハリをつけないと写らないですね。
肌色ってちょっとした加減でかなりフィギュアの印象が変わるんですが、ちょっとした変化では画像にはあんまり反映されないです。
ましてやニーゼのパイロットだとキャノピー越しですから、もっと大胆でも良かったかもしれません。
ちなみに今回はキャノピーをコンパウンドで磨きました。2000~3000番の紙ヤスリでやすった後に「粗め」→「細目」→「仕上げ」で仕上げました。
輝きが増した!と思います。
透明度も上がった気がしますです。
洋服はシンプルに塗り分けて、影色なんかも差してみたんですが、なかなかメリハリが出せないですね。
襟の赤いライン二本はデカールです。
上から艶消しクリアを吹きました。
軍服の布に光沢があったらおかしいやね。
フィギュアを塗る際に使ったのが拡大鏡。
今回、塗ってみて分かったんですが私、まだ老眼がそんなにひどくないようで裸眼の方が見えますね。
それもうんと近い方が見えます。
最近は三十代でも老眼の方いますから。
それに私はもともと視力が弱くて近眼と遠視のハイブリット(笑)なので逆に老眼はあんまりこないかもしれないですね。
ちょっと話がそれました。
フィギュアの塗装ということで言うと興味があるのは実体顕微鏡ですね。
今回、拡大鏡を使っていて感じたのが、レンズ越しの像に立体感がないことです。
単眼鏡になっているので、立体感がないのだろうと勝手に考えているのですが、実体顕微鏡は、両目で見るようなので見え方がだいぶいいのではないか、と。
まぁ、とはいえ私、片目だけ視力がすごく低いので結果、同じかもしれませんが一度どんな感じか実体顕微鏡でフィギュアヘッドを覗いてみたいです。
なんや、かんやでフィギュア塗装完了!
普通というか機体の塗装なんかに比べるとフィギュアの塗装は神経が消耗しますね!
このフィギュアの塗装にのべ三日くらいかけたんですが、
※「三日もかけてこんなもんかよ!」とか言わないで(泣)
クタクタの割りに仕上がりが思うようにいかないから苦手意識があるんでしょうね。クタクタになりました。
しかしまぁ、デカールも貼ってなんとか形にしました。
で、フィギュアを組み立ててニーゼに乗せてみたら…
うまく入らない!
どうやらアタマの上のバイザー部分とニーゼのハッチが干渉しているようです。
どうせ見えないだろうということで、背中側をヤスリで削ったりして後ろに入り込むように細工して乗せました。
途中でも書きましたがニーゼのキット少し作りづらいとこあります。
ちょっとしたところなので、全然対応できるんですけど、WAVEさんもったいない感じがします。
結局、自分の納得いく完成まで二ヶ月くらいかかりました。
フィギュアも作っての二ヶ月ですから、私にしてはかなり早いです。
今度、休みの日にでも撮影して楽しみたいと思います。
完成までお読みいただいてありがとうございました。
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