マシーネンクリーガー クレーテ製作記⑪ ディテールを詰める
- 2018.08.08
- KRÖTE / クレーテ

クレーテの見せ場を作るディテールを詰める
全体の製作工程からご紹介できなかった細かすぎるこだわり工作ポイントをお見せしていきます。
デカールは見にくいところにも
デカールは偉大です。
模型に緻密さを与えてくれます。
今回のクレーテはほとんどの工程を筆塗りで行い、後は指や筆の柄でこすったりしています。
アナログな部分が味ではあるのですが、ともすれば抽象的な出来になってしまいます。
しかし、そこにデカールが入ることにより文字やマークの整然とした雰囲気が出てきて引き締まった作品になってくれました。
その効果を利用してこの部分にデカールを貼りました。
ここにもディテールがあるのですが、ここはほとんど目がいかない部分だと思います。
ここにデカールを複合的に貼って注目ポイントにしてみました。
パイプ、錆、質感のことなる機体パーツが集まるこの位置は模型的においしい部分だと思います。
脚の素材の違いを演出
クレーテの脚は鉄板を重ねるようにしてできあがっています。
その雰囲気を演出するために、脚の一部の鉄板をわざとそれっぽい剥き出しの素材感で塗装しました。
こうすることでより、脚のフクザツさみたいなものが見えたらいいなと思います。
それからここにはねじがあり、ここも塗装することで違和感がなくなりました。
砲塔パネルの極小デカール
ボルトとの塗り分けもですが、デカールを貼ってボルトの存在感を増しています。
ボトルとパネルとの接する部分に少しだけにじむ錆色もこだわった部分です。ほとんど見えないんですが…笑。
砲塔後部の煙突はわざと冬季迷彩せず
砲塔は面が広いので単色で塗るとのっぺりしてしまうリスクがあります。
この煙突のようなパーツは単調になるのを防ぐ貴重なポイントになると考えてあえて冬季迷彩を施さずに金属色とのグラデーションにしました。
縁の部分は鋼鉄の鈍い光沢を演出するために2Bの鉛筆を擦り付けました。
模型仲間に聞いたら鉛筆よりグラファイトの方がより光沢感がかっこいいというので今度使ってみたいと思います。
どうやって塗ったか自分でもわからない
この脚の部分の塗装、自分でもどうやったかよくわからないんですね。
たぶん、パステルに染み込んだ溶剤がまだらになってこういう感じになったんだと思います。
こういったどうやってやったかわからない部分がリアルさを引き出してくれることがあります。
手すりの付け根のディテール
ここもデカールの力を借りています。
けっこういろんな色で塗っているのですが、ぱっと見は茶色く見えて終わってしまうところをデカールで指して「見て!見て!」といっているわけですね笑
機関部の灼けた感じと厳寒の雰囲気
機関部は冬季迷彩はしないでボディとの質感の違いを演出しました。
鋼鉄が灼けてしらっちゃけて、そこがまた寒さで急激に冷やされてを繰り返しているうちに鋳鉄の固い鉄になった感じです。
圧力を加えると曲がる鉄と割れる鉄がありますが、後者の割れる鉄の雰囲気を狙いました。
地味に「枯れ葉」が吹き込んでとどまっています。

機関部の上のスス汚れ
機関部がなんとなく蒸気機関車みたいな感じに見えたので、きっとここは高温でオイルやらなにやらで煤けてしまうに違いないと思い汚しました。
スモークディスチャージャー
ここはパイピング、デカールの粗密感、スス汚れとバランスがよくまとまったかなと思います。
特に筒部分の根本のデカールがお気に入りです。
膝の装甲板
小さなパーツなのですが、ここはいろいろな要素が詰まった塗装ができました。
成形色のグリーンが見えますし、冬季迷彩がボロリと剥がれている部分もあります。
曲面なのでデカールの位置が難しかったです。
腰の装甲
ここも接写に耐えうるフクザツな感じが出せました。
曲面だったのでデカールの位置が難しかったです。
ボルト
ここはなんのためにあるのかよくわからなかったパーツなんですが機関部同様の感じで仕上げました。
光沢は鉛筆で出しました。
投光器
この部分は識別帯の塗り分けがうまくいった部分です。
ボケ味と識別帯がちょっと流れている感じ。
砲塔前面のパーツに差し色の赤いデカール
砲塔前面は銃身やカメラなどディテール満載なのですが色がガンメタル系で単調になるのでデカールに赤色がある物をチョイスしました。
オイル垂れ
砲塔背部の網からオイル垂れを起こしています。
基本的につや消しボディなので、オイル垂れの光沢とは対比が出て面白くなるだろうと思いました。
カメラアイ
今回のクレーテで唯一キラリと光る部分です。
小さいので決して目立つ部分ではありませんが、「生きている」機体の感じが出ていればいいなと思います。
冷え冷えとした脚部
脚部は塗装に特にこだわった部分です。
脚は汚れます。
泥、水はね、こすれて、ぶつかってもっとも酷使される部分のひとつでしょう。
そこにわずかに残った冬季迷彩と錆、汚れのコントラスト…
う~ん、たまりませんなあ…
砲塔上部の錆
砲塔の上部に点々とある錆
これはまったく偶然から始まったディテールだったのですが塗装して「育てて」いくうちに素晴らしいディテールになりました。
製作のご依頼をいただいたなめくじさんからは弾痕に見えるといっていただきなるほど!と思いました。
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