Ma.K. NIXE ニーゼ完成~撮影しました!

「the SNAKE EYE story」 第7章 SWALLOW TAIL

「the SNAKE EYE story」 第7章 SWALLOW TAIL

村を襲った二機のクレーテは、ギベオンと村人たちの手により重機で村はずれの崖から川に落とされた。
もしシュトラール軍が来て、クレーテをみつけても銃痕は全てクレーテ自身の物だ。バグを起こした無人兵器が村内で暴れ、家を破壊し、同士討ちの後、沈黙。邪魔だから廃棄したことに出来る。むしろ村として損害賠償請求も可能な話だ。
クロウは、戦闘があったその日だけ村に留まりベッドで眠ることをガスクから許された。
そして翌早朝、ギベオンがトラックに乗って診療所にやってきた。アンとクロウ、そしてガスクが出迎えた。荷台には幌布を掛けたスネークアイが横たわっていた。
「村を救ってくれたことは感謝する。シュトラールが来ても怪しまれることはないじゃろう。しかしお前さんが来なければそもそも何も起きなかったとも言える」
クロウは肩をすくめ「ごもっとも」と笑った。
「このトラックごと持って行け」
ギベオンはトラックから降りながらクロウに言った。
「いいのか?」
「スネークアイで歩き回る訳にもいかんじゃろ。村にこいつがあるのがバレるのもまずいでな」
「厄介払いか」
「まぁ、そう言うな。あれからまた整備しておいたぞ。スラスターにゴミが入るとまずいから封印しておいた。使うときはそのまま蒸かせば焼き切れる。これだけの機体を手放すのは名残惜しいがまぁ仕方ない」
クロウはギベオンに手を差し出した。ギベオンは握手を受けた。そしてぐっと顔を近付けクロウに耳打ちした。
「実はな、こいつに名前を付けた」
「名前?なんて?」
「スワロウテイル」
ギベオンはこの機体を整備しているうちに愛着が湧いてしまった。そして別名を付けた。装甲を付け足しているうちに背面腰の装甲が後ろに跳ねてしまったのでそこから取って「スワロウテイル」と名付けていた。しかし気恥ずかしくて誰にも言わないつもりだった。
「ど…。どうじゃ?」
クロウは小さくスワロウテイルと言ってみた。
「いいな!」
「そうか!」
ガスクはギベオンの満足そうな顔を奇妙に思いながらクロウに近付いた。
「お主、歳はいくつになる?」
「全然思い出せないな。なんでだ?」
「昨日のあの闘いぶり。そしてお主の右腕の部隊章…信じられんことじゃが五十年前にわしらは戦場で会っておるかもしれん」
「なんだそれ」
「いや、馬鹿げとるな…」
ガスクは息を大きく吸い込み、吐いた。
「その部隊章はかつてアバドンという部隊にいた者が入れていたタトゥーじゃ。わしらにとっては英雄じゃった。しかし、その部隊の名が人々に思い起こさせるものは恐怖、嫌悪、そして戦争そのものじゃ…。人には見られんようにしろ」
「なんか見せてもモテなさそうだからそうすることにしよう」
クロウはトラックに乗り込んだ。
「世話になったな」
クロウがエンジンを掛けたとき、助手席からアンが乗り込んできた。クロウが呆気に取られているとガスクが当然だ、と言う顔をした。
「まさかお主、レジスタンスの隠れ村を知ったのに自由の身になれると思っておったのか?」
「治療も終わってないし、記憶が戻ったらいろいろ訊かなきゃならないし」
アンが前を向いたまま事務的に言った。
ギベオンが笑いながら言う。
「お目付役じゃい」
クロウはアンを見た。
「村に医者がいなくなっちまうじゃねえか」
「本部から補充が入ることになってるの」
クロウは少し考えた。
「またケツを触るかもしれないぜ」
「そのときはメスでその手を切り飛ばしてあげるから安心して」
降りる気はまったくなさそうだった。
「マジかよ…」
「なに?なんか言った?」
クロウはアンを乗せてアクセルを踏んだ。
村の境界を示す石碑から出て村の方を振り返ると崖の上に村人たちが見えた。手を振っていた。カイの姿もあった。朝日が村人を照らしていた。
アンは窓から身を乗り出して手を振った。笑いながら涙が溢れていた。

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……ッドサンド7より入電…
シリウ…隊………ネークアイ…ジェスロ機の信号傍受。
同地にて…レーテ二機の信号消失……
同地の村……テロリ…ト拠点…可能性あり…
…滅せよ、同村を速やか…殲滅せよ……
アバドン隊の生き残りは殲滅せよ……

 

Jack  MOKEMAGA「SWALLOW-TAIL」小説

あとがき

Ma.K. SNAKE EYEの現地改修型を製作していたときに思い浮かんだイメージを基にノベライズ/小説化しました。

書き始めたときは、こんなに長くなると思わなかったのですが、合間、合間にちょっとずつ書き溜めていたらこの分量になりました。

その書き溜めたものをまとめて2018年開催のMa.K. Tamagawa meeting Qに出展。

まぁ、模型の展示会ですので、小説を出すのは真逆な方向性でどうかと思ったのですが、運営の方も「公序良俗に反しなければ」というこうとで快く承諾してくださいましたので恥ずかしい思いもあったのですが出してみました。

当時、読んで下さったサントイスさんはじめ皆様に感謝申し上げます。

上の画像が、私の拙い製本なのですが、横山宏先生にスネークアイのイラストを描いていただきました。

大事な宝物です。

二冊作ってありましたので、僭越ながら一冊は先生に献上いたしました。

小説の出来はともかく(笑)、こういった想像の羽根を広げさせてくれるマシーネンクリーガーをはじめとするデザインの数々、またそれを作る上での自由さを提供してくださる横山センセの偉大さは本当にすばらしいと思います。

映画化をはじめまだまだ今後の展開もありそうなマシーネンクリーガー。

端っこにいるファンの一人として楽しみです。